経営のツボ

上司と部下

叱り上手な上司になる

「叱り上手な上司になる」

 

●叱る≠怒る

  怒りは復讐の感情です。欲求不満を与えた相手に対する処罰の感情です。
  怒りをぶつけるだけでは、部下は傷つくだけで、それによって教育されることはありません
  (仮に教育されたとしても、それは部下の資質のおかげであって、上司の指導力の賜物ではありません)。

 

●叱る=提案

  効果的な叱責とは、怒りをぶつけることではなく、
  「部下が、今よりも高いパフォーマンスで仕事ができるようになる」ための提案だと捉えましょう。

 

●叱る=励まし

  部下が可能性に満ちていると信じるから、そして、それを具体的に開花できると信じるからこそ、
  がっかりもするし、腹も立つのです。
  だとしたら、「ダメな奴だ」というメッセージではなく、
  「君はすばらしい。だからこうしたらもっとすばらしさが表れる」
  というメッセージが伝わるような伝え方ができるといいですね。それが真の叱責です。

 

叱り方のコツ

 

●一息入れて

  教師は生徒を教える前に、授業の計画を立てます。
  それと同様に、部下を怒鳴りつけたくなったら、一息入れて、なぜ自分が怒っているのかをはっきりさせましょう。
  そして、どう伝えれば、本当の意味で「部下が最高のパフォーマンスで仕事ができるようになるか」を考えましょう。

 

●言い分を聞く

  いきなり頭ごなしに叱らないということです。
  「一体どうしたんだ?」「どういう経緯でこうなったのか聞かせてくれないか?」と、
  相手の言い分を聞く余裕を持ちましょう。

 

●行動を問題にする

  「不真面目だ」「引っ込み思案だ」「やる気がない」「そもそも君という人間は…」というように、
  性格や態度を責める(人格攻撃をする)と、相手は防御的になります。
  改めて欲しいのは行動なのですから、具体的な行動を問題にしましょう。
  その際、相手の行動の何が問題なのか、どうして自分がそれを問題にしているのかを説明してあげます。

     × 「君は本当に時間にルーズな奴だ」
     ○ 「会議の時は、5分前には着席してくれ。時間がもったいないから」

 

●未来志向

  「なぜ君は…」という叱り方だと、相手は言い訳をします。
  「二度と同じ失敗をしないために、今後どうするつもり?」と尋ねれば、相手は言い訳できません。
  また、過去を責めるよりも、今後どうして欲しいのかを伝える方が生産的ですし、やる気も生み出しやすいはずです。

 

●どう感じているかを伝える

  部下を叱りたくなったということは、
  がっかりしたり、悲しかったり、イライラしたり、悔しかったり、困ったりしたはずです。
  それを相手に「自分は、あなたのこういう行動を見て、こういう気持ちになった」と正直に伝えましょう
  (感情をぶつけるのとは違います。むしろ、冷静に伝えた方が、効きます)。
  そして、しばらく沈黙の時間をおきましょう。部下があなたの感じていることを、じっくりと味わうためです。

 

●期待感と好意を伝える

  最後に、今までの問題行動や仕事の成果にかかわらず、相手のことを期待しているし、
  好意を持っているということを伝えましょう。もちろん笑顔で。

 

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