危機管理と転落回避
金融機関との交渉(1)
1.普段の付き合い方
銀行からお金を借りるのは手段であって、目的ではありません。本当の目的は、社長が資金で悩まず、エネルギーを売上向上に向けさせることです。社長が資金繰りの苦労から解放されるだけで売上は上がるといいます。
しかし、中小企業の資金調達は借入金への依存度が高く、銀行からの融資に頼らざるを得ません。そうであれば、銀行から要請される前に、決算書や月次決算書等をこちらからすすんで持っていき、決算状況や資金繰りの見通し、いつごろ融資が必要になるか等を社長の口から定期的に報告を行い、協力を要請します。また、財務状況だけではなく、銀行の格付けに影響を及ぼす技術力・販売力等をアピールすることも必要です。
資料の自主的な提出や、貸出担当者との接触頻度の多さが貸出を容易にします。
2.金融機関への協力要請
自社の努力のみでは転落回避が難しい場合、金融機関へ協力を要請することになります。その際の資料として、経営改善計画書を作成します。その中で、業績が悪化した原因とその具体的な改善策を示し、信憑性のある計画案をまとめます。また、資金繰り表や金融機関別借入残高推移表も作成します。計画書に沿った事業展開によって確実に黒字転換でき、借入金の返済が滞りなくできるということが最低条件になります。
決して開き直らず、粘り強く交渉することが必要です。
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